展覧会:知られざる名建築〜旧奈良監獄・奈良少年刑務所の美〜 2010年3月7日(日)雨 寒い

今年のはじめから準備してきた写真展。いよいよ開幕まで二週間となった。

▼知られざる名建築 〜旧奈良監獄・奈良少年刑務所の美〜
日時:3月20日(土)〜5月1日(土) 10:00〜18:00 日・祝は休廊
場所:ナガノカメラワーク 京終画廊 電話0742−23−0306
アクセス:JR奈良・近鉄奈良から徒歩15分/市内循環バス「北京終町」下車すぐ/会場西側にコイン駐車場あり
料金:無料
内容:奈良に残された貴重な明治建築の知られざる姿を、多数の写真で紹介。
主催:ならまち通信社
後援:奈良県、奈良市(申請中)、奈良県教育委員会、奈良市教育委員会 文化庁「関西元気文化圏」参加事業

奈良では町の中にも相当に古いものが残っているので、近代建築は見過ごされがちなのだが、この築102年になる奈良少年刑務所(旧奈良監獄)は本当にすごい。間違いなく、わが国を代表する明治建築の一つだ。

しかしながら、現役の刑務所として稼働中なので、普通の人が中を見学するには、毎年九月の一般公開イベント「矯正展」しか機会がない。このときは、時間を決めて所内の見学ツアーもあって、塀の中まで案内して説明しながら見せてくれる。とはいえ、撮影はできないし、けっこう緊張するので、建物の美しさを心置きなく堪能するというわけにはいかない。

そこで! ならまち通信社では、この建物の美しさを広く知ってもらうために、写真展を企画した。
東京からベテラン写真家を招いて、刑務所の内部を、それこそ天井裏から地下室まで、徹底的に撮影してもらった。うちとは別に、芸術写真として刑務所を撮影している人がいて、ちょうど同時期に東京で展覧会があるが、同じ被写体でも、両者はまったく異なる写真になっているはずだ。こちらは、とにかく建物の記録が主眼。この建物がどんなに美しいものか、写真を見て知ってもらえるよう、明瞭に、克明に、フォルムからディテールまで、撮って撮って撮りまくった。空前絶後の撮影だろう。ここ三年の間、奈良少年刑務所の教育プログラムの講師をさせてもらっていたから、今回の撮影を許可してもらえたのだと思う。感謝。

刑務所というとふだん話題になりにくいし、実際に見る機会もない。そのため、地元奈良でもよく知られず、存在感が稀薄だった、奈良少年刑務所の建物。今回の写真展では、塀の向こうに閉ざされてきたその魅力を存分に体感してもらえる。
画期的な機会だと思う。せっかくなので県や市、教育委員会の後援もはじめて申請した。ぜひ多くの方に見ていただきたい。

なお、開催費用はすべて自腹&ボランティア。奈良の宝をみなさんに再発見してもらえるよう、がんばっています。

⇒展覧会の詳細はこちら(ならまち通信社)

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東大寺二月堂竹送り(お水取りのお松明に使う竹の奉納)2010年2月16日(火)曇のち雨 霰も降った 寒い!

毎年3月1日から14日まで行われる「お水取り」(東大寺二月堂修二会)を前に、毎晩のお松明で使用する竹の奉納が行われている。竹は近畿一円から奉納されるが、東大寺近くの“きたまち”般若寺町の「仁伸会」による奉納は、今年は2月14日の午前十時からとなった。東大寺の国宝鐘楼「奈良太郎」集合で、そこから台車で二月堂下まで人力で運んで奉納する。仁伸会の奉納する竹は14本。うち、根付きの竹(採るのも運搬も大変!)が12本。今年は、お松明の結束に使われる蔓も4束奉納する。昨年、足りなくて困っているとの報道があったのだ。
仁伸会は、半世紀以上にわたって竹の奉納を続けている地元の方々のグループ。

14日当日は、前後とは打って変わって暖かい晴天に恵まれ、無事に奉納を済ませることができた。

一本かつがせてもらったが、根っ子の付いてない竹でも、本当に重くて大変だった。暗くて寒い当日、あの先で松明が燃えているものを一人でかついで回しながら走るというのは、ちょっとやそっとのことではないなと思った。

仁伸会の竹送りは、16日の毎日新聞に記事が掲載された。来年は、後継者の育成も考え、参加者を公募する予定。

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ひがしむき商店街の電飾/奈良はいつでもイベントだらけ 2008年12月14日(日)晴 日中はちょっと暖かかったが日が落ちてからみるみる冷えてきた

きょうの晩、ひがしむき商店街を歩いていたら、奈良基督教会(親愛幼稚園)の入口に屋台のようなものが出ていて、ポップコーンなど売っていた。そういえばきのうから「ひがしむき 光のページェント&チャペルコンサート」という催しが始まっていたのだ。敷地には、美しい電飾が完成していた。階段の両脇にはずーっと上まで、燈花会ふうのロウソクの光の列が。
階段を上がり、ちょうど休憩時間だったので礼拝堂に入れてもらい、ソプラノとピアノの演奏を聞かせてもらった。
奈良基督教会の電飾 奈良基督教会礼拝堂入口 奈良基督教会礼拝堂内部
ここは昭和5年築の珍しい和風木造建築の教会。興福寺の隣接地でもあり、地域文化に配慮したのだろう。外観も内装も日本風、屋根には鳩と十字架の描かれた鬼瓦も。立派な礼拝堂のパイプオルガンは近年導入されたもの。それだけでも活動の盛んなことがわかる。
今回の催しは、ひがしむき商店街と奈良基督教会との協力で、今年初めて開催された。電飾だけならあちこちにあるかもしれないが、ここでは、教会の礼拝堂でコンサートが開かれる。しかも、12月13日から23日まで毎日あるのである。それも、基本的に無料。終了後には暖かいお茶のふるまいまであって、もてなしの徹底ぶりに頭が下がる。金銭的にも労力的にも相当がんばっているので、無料と言われても寄付しないで帰るわけにはいかない。
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奈良に住んでいると、ただ街を歩いているだけで楽しいイベントに遭遇することが極端に多い。道で知り合いに会ってあいさつしたり立ち話をしたりというのも、相模大野にいたときはほとんどなかった。そのいちいちがうれしい。引っ越してきて本当によかった。
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明日15日は春日若宮おん祭の大宿所祭。お昼すぎから、着ぐるみまんとくんも出動します。

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正倉院展初日/まんとくん拡大中/10・31「せんとくん」白紙撤回要求デモ 2008年10月25日(土) 曇ときどき日が差した 湿気が多くてあまり過ごしやすくない

第60回正倉院展初日。去年と同様、まず図録で展示内容を検討してから行くことにした。
奈良教育大学の敷地内で発掘された新薬師寺金堂跡の現地説明会(たいへんな人出だった)へ行ったあと、奈良国立博物館へ回って、地下の売店で図録を購入。地上へ出て、入場口で混雑状況をチェック。きょうは初日でやはり混んでいたが、12時25分頃には約15分待ちの行列だった。入館制限はないが、中はだいぶ人がいそう。やはり月曜に行くのがいいか。
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今年も「はじまりは正倉院展」スタンプラリーが行われている。抽選の景品は奈良宿泊券ペア5組、正倉院文様のエコバッグ1000名。はずれなしでポストカードがもらえるのだが、これは正倉院文様のと、「せんとくん」と、まんとくんから選べる。どれが一番人気になるか?

まんとくんは、公認グッズもだいぶ出そろってきた。こんど公式グッズ第一弾として「まんとくん缶バッジ」を作って売ることに。収益はすべて、まんとくん着ぐるみの製作費用となる。
いま販売店を鋭意開拓中で、とりあえずどこで買えるかは来週にも発表予定。
先行販売はあす26日に「ならいぶ with まんとくん」の会場で。
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10月31日、「せんとくん」白紙撤回を求めるデモを打つことになった。最初、総選挙の日程がどうなるか……とか考えていて(選挙の報道があるとニュースが埋もれてしまうから)、いよいよ31日の予定で調整していたら、こんどは天皇皇后が来るという話が飛び出して(毎年、正倉院展の時期には皇室から誰かが来ている)、はたして実施可能なのかどうか、いろいろ調整して、ようやっと正式の許可が下りたのだった。
当日参加可能なので、ご都合のつく方はぜひどうぞ。

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新しい奈良のキャラクター「まんとくん」デビュー 2008年6月2日(月)明るいので小雨かと思ったらけっこう本降り

きょう午後、奈良県庁で記者会見を行って、新しい奈良のキャラクター「まんとくん」のお披露目となりました。五階の県政記者クラブは報道陣でぎっしり。

応募総数619点から選ばれた30点の候補のなかで、ウェブ投票で一番人気だったのがこのキャラクター。作者のクロガネジンザさんは、キャラクターやデザインがあちこちで採用されている実力の持ち主。

キャラクターをプロデュースする立場のクリエイターズ会議・大和としては、一般投票の結果を最大限尊重して、ウェブと街頭の一番のどちらかを選ぶという方針でした。個人的にこれが選ばれたらいいなと思う作品は別にあったけど、五万人もの方々の投票によって、よいキャラクターが選ばれて、本当にほっとしました。

「まんとくん」でいちばん気に入ったポイントは、帽子のシェイプ。千何百年前にできた建物の屋根のカーブが、ちょっとかっこいいカウボーイ風の帽子のつばのカーブとして、そのまんま現代に生きているのだ。これは感動的だし、すごく奈良っぽい。鴟尾が角と合体しているところもいい。手足が蹄なのも地味にナイス。
(いま平城宮跡に建ってて近鉄電車から見える朱雀門は想像の産物だけど、実在の奈良時代の建物のデザインを参考にしている)

名前は公募にしませんでしたが、これはよくよく考えてのこと。実は、公募しても結局のところ人気投票は実施できないし、もし公募したとして、何千通、もしかすると何万通も来た候補を分類して整理して……という労力を割くのが難しい。むしろ、名前を付けて、完成された状態でキャラクターをデビューさせて、その今後のプロデュースに注力した方が「皆に広く愛され使われるキャラクターを創造する」というプロジェクトの目的に合致している、という判断もあった。そういうわけで、「まんとくん」は商標登録申請済。きちんと守って、多くの人に安心して使ってもらいたい。
(名称を人気投票で決められないのは、決定前に候補を公表すると、見込みのありそうな名前が勝手に商標登録されて、決めても使えなくなる危険があるから。キャラクター図像だと、商標登録しなくても著作権で守られるので人気投票可能)

さっそく「まんとくん」を使いたいというオファーもあるのですが、使用規定がまだ完成していないので許可が出せない状態。急いで、きちんとしたものを作らねば。できるだけ広く使ってもらえるようにしたい。キャラクターのパターンも、今後クロガネジンザさんと開発していきますので、ご期待ください。

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ダメすぎる奈良新聞のコラム/遷都1300年事業協会に欠けていたもの 2008年5月26日(月)晴 風はあるけど蒸して涼しくない 6時過ぎにすごい夕立

22日の奈良新聞の「デスクメモ」という欄に、なんか違うぞ、と思うことが書いてあったので、その日の夜にこんなFAXを送っておいた。

22日14面「デスクメモ」について

 [クリエイターズ会議・大和]会員の松永洋介と申します。
 「デスクメモ」でオリジナルキャラクター募集の話題を取り上げていただき、ありがとうございました。
 ただ、末尾に、
 少し気になることがあります。インターネットで投票する方はいいのですが、もう一つの「奈良市中心市街地8商店街での街頭投票」はどうでしょうか。
 どうせなら全県の何カ所かに投票会場を設けてはどうですか。奈良市だけのイベントと思われないように。
……とありますが、この表現は、ちょっと認識が異なるなと感じました。
 街頭投票は当初、25日の近鉄奈良駅前での投票のみを予定していました。クリエイターズ会議・大和では、専従職員を豊富に抱える事業協会と違って、すべて手弁当でやっているものですから、それ以上に人手を費やすのは無理だと考えていたのです。
 そこへ商店街の方々から積極的なお申し出があって、ご協力いただけることになり、急遽19日から24日の商店街等での投票を実施することになったのです。実は、事務局では、投票用紙すら用意していません。ポスターの提供のみで、あとはすべて商店街の方々による自主運営です。
 だから、お申し出さえあれば、郡山でも橿原でも十津川であっても、投票を実施していただくことは可能なのです。お申し出があったのが奈良市中心市街地8商店街だったというだけのことです。
 募集イベントそのものは全国的で、北海道から沖縄まで、またパリ、ニューヨークからも作品応募がありました。そういう展開のなかで、せっかく奈良市中心市街地の商店街の方々にご協力いただいたことを「奈良市だけのイベント」という括りで表現されることは、不本意な感じがします。この点、ご理解いただければ幸いです。
FAXには住所も電話もメールも書いておいたが、返事はなく、きょうの朝刊の一面コラムに返答らしきものが書いてあった。
【國原譜】奈良新聞2008年5月26日(月)1面
 開幕を二年後に控えた平城遷都一三〇〇年祭で、デザイナーでつくる「クリエイターズ会議・大和」が独自に公募したマスコットキャラクターの三十作品への人気投票が締め切られた。
 三十一日に最終選考し、来月二日に結果を発表するという。大きなイベントをめぐって盛り上がるのは結構なことで、貴重な一つの話題として尊重したい。決して批判しているわけではないことを、まずことわっておく。
 実は同会議の方からお便りを頂いた。当方が別の欄で、直接投票できる会場が奈良市内の商店街などに限られている点に注文を書いたことへのお返事である。申し出があれば、県内のどこででも投票を実施してもらうことができたと言っておられる。
 説明を頂いて、皆さんの事情は理解できた。だが、それでも直接投票の会場は、奈良市以外に広げてもらいたかった。インターネットがあるにしても、それは大したことではない。「多くの奈良県民が直接、投票する」という行為が大事だと思う。
 二十年前に「なら・シルクロード博」を取材した一人として記憶に残るのは、メーン会場などが奈良市だったために、中南和地域が蚊帳の外になってしまったことだ。その教訓を生かして平城遷都一三〇〇年祭は全県的なイベントにしてほしい。
 このイベントの意義は「はじまりの奈良」を共有することだと考える。それが同会議の皆さんに伝われば幸いだ。全県的な盛り上がりなれば(※原文ママ)、ということで一致するなら何も申し上げることはない。(北)
(北)氏は「何も申し上げることはない」というが、こっちは申し上げることがたくさんある。これは、はっきり批判されるべきコラムだ。デスクがこんな考えしかできなくて、奈良新聞は大丈夫だろうか? 問題の本質が何なのか、全然わかってないじゃないか。

短いコラムなのに突っ込みどころが多い。思いついたことを列記してみる。

  • シルクロード博で「中南和地域が蚊帳の外に」されてしまったという「教訓を生か」さねばならないのは、他の誰でもなくまず奈良県である。にもかかわらず、遷都1300年祭の事業協会(≒県)が、キャラクター選定において“県民すべてを蚊帳の外にした”ことへの批判が完全に欠落している。
  • 「インターネットがあるにしても、それは大したことではない」という断定は、根拠がまったくわからない。ウェブで投じられた4万9千票について、どう考えているのか。
  • 全世界に開かれた話(1300年祭も今回の公募も)なのに、ことさら「県民」を強調する必然性がわからない。また、街頭投票では、奈良県民のみならず、奈良を訪れた多くの旅行者の方々に投票いただいた。これは奈良のイベントにとって重要な要素だが、そのことについての評価がない。
  • クリエイターズ会議・大和は、二十数名の会員は全員ボランティア。予算数万円、活動開始からまだ二ヶ月。それで今回の公募企画を運営している。なぜ、この上さらに、到底実施不可能な展開を要求するのか。
  • 中南和地域への配慮をそこまで求めるのなら、県内各地の奈良新聞社の支局に投票箱を設置するか、販売店にお願いして投票イベントに協力してもらうか、紙面で読者に呼びかけるかすればよかったではないか。奈良新聞社の力をもってすれば実現可能なはずなのに、なぜそれをしなかったのか。
……いろいろあるが、全体の印象として、そもそもイベントを「実施する側」と「享受する側」に分けて考えているのではないか?という感じを受けた。それで話がぜんぜん通じないのかも。この二分法は、県議会で荒井知事が「主催者は県で県民は参加者」(意訳:だから県民は黙ってろ)と言った傲慢さ、怠惰さと通じる。
  *
オリジナルキャラクター公募は、6月2日に採用作品が発表される。事業協会の人に見てほしいのは、どんなキャラクターが採用されたかということよりも、どうやって決めたかというプロセスと理念だ。
今回、奈良の市民には相当なポテンシャルがあることが証明された。事をオープンに進めることで皆が楽しく盛り上がれる、ということもはっきりわかった。事業協会の活動については、これ以上「県民無視」といった批判を受けるようなことがないようにしてもらいたい。

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新聞に投書が載った/レジ袋とマイカー/新キャラクターの投票、明日25日まで受付中! 2008年5月24日(土)曇のち雨のち大雨 暑いか寒いかよくわからない

奈良新聞に投書が載りました。というか、3月26日に載っていたのだが、親が死んだ日だったので読んでなかった。突如思い出して見てみたら載っていたのでした。テーマは「温暖化防止」。八つ掲載のうちの一つ。

「温暖化対策は経済性と両立」
 温室効果ガスの排出について、産業部門の割合の小さい奈良県では、家庭部門での削減努力が重要と聞きました。県のストップ温暖化県民会議では、各家庭の削減目標を決めて、達成のためのチェック表を配布しています。
 それを見て驚いたのは、マイカーの影響の大きさです。片道十キロの通勤を週に二回公共交通にするだけで、年間削減目標が達成できてしまうのです。節電やレジ袋削減など、その他の努力を一切しなくてもです。
 都市部の道路資源の有効利用という観点からも、マイカー使用は大変な浪費だそうです。マイカーを減らせるならば、バスを無料にしてもコストが合うという試算すらあります。
 県がリーダーシップを発揮して、マイカーなしでも暮らせる街を造つくることができれば、温暖化防止と道路の高度利用との一石二鳥です。公共交通と自転車利用の徹底的な拡大こそが、経済的にも環境対策としても、県がとることのできる最良の選択だと思います。
  *
この四月から富山県ではスーパーなどの無料レジ袋を原則全廃したそうだ。けっこう浸透しているとのこと。先日見たNHKニュースで、その理由を解説していた。曰く、多くの人が「マイバスケット」を持ってくるのだそうだ。それが可能なのは、マイカーの普及率が高いから。なんじゃそりゃ。
マイカーで買い物に出かけるとどうなるか。リッター10kmで走るとして、1km先まで買い物に行ったら、200cc使うのか。けっこう使うなあ。レジ袋はというと、いま台所にあったのをいくつか量ってみたら、1枚6gから9gだった。
製造時の環境コストがどうかとかいろいろあるけど、ざっと考えて、1回の買い物で放出されるCO2は、レジ袋よりも、マイカー使用によるものの方が大きい。レジ袋は、ゴミ袋としてリユースされることも多い。クルマから放出されたガスは再利用のしようもなく大気中にばらまかれる。走行距離も、実際には2kmではすまないだろう。クルマの製造・廃棄コストは別にかかる。
減らすことでより効果が高いのは、レジ袋じゃなくてマイカーの方だ。そして、マイバスケットの利用が“エコでいいこと”として定着しちゃったら、マイカーで買い物に行くという悪習を変えにくくなるんじゃないか?
「地球環境に配慮する心のある私はマイバスケットを持ってマイカーで買い物に」などというライフスタイルが「いいこと」だと思ってもらったら困る。エコを志向する善意が「レジ袋削減」で満足してしまうのだとしたら、それは“善意の浪費”だ。
  *
奈良の新しいキャラクターの募集は、600作品以上の応募があった。そこから選ばれた30の候補について、いま広く投票を受付中。明日は近鉄奈良駅前で街頭投票イベントを実施します。ウェブ投票も明日まで。
これまで、ウェブで4万7千以上の投票があった。本当に驚くべき数字だ。きょうまで奈良市中心市街地の商店街などで実施した街頭投票も、かなり反響があったらしい。さて、どんな結果になってくるのか。

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奈良の「フリー・チベット」デモに参加 2008年5月10日(土)雨 寒い!


胡錦濤国家主席が来日最終日に奈良を訪れたのに合わせて行われた、チベット問題をアピールするデモに参加してきました。午後3時半から30分間、JR奈良から猿沢池のほとり、五十二段下まで1kmちょっとの行進。スタッフの人によると参加者は300人ぐらいとのこと。
皆で言っていたコール内容はこんなのでした。(⇒MP3形式/約50秒

歩きながら、やっぱりデモは苦手だなあと思ったけど、参加できてよかった。関係者のみなさまありがとうございました。

その他、詳しいレポートは寮美千子の日記をご覧ください。

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千葉で怒濤の十日間/葬式の「チーン」は人生の決算の音 2008年4月7日(月)曇のち大荒れ

十日ぶりに千葉から奈良に戻ってきた。
うちの奥さんの両親を近々千葉から奈良に呼んでいっしょに暮らす予定が、3月26日に母親が亡くなってしまったのだ。おととしの夏に実家近くの老人施設に入ってから体重が激減していたこともあってか、意外な早さで逝ってしまった。入院したと聞いてから十日と経っていなかった。急いで千葉に行って、葬式とかその後の始末とかで、十日間忙しくしてきた。(奥さんはつきっきりの看病から二十日間近く怒濤の日々を送っていた

祭壇 出棺
葬式は実家で、千葉市の祭壇貸出サービスを利用して、花は近所の花屋で贅沢に作ってもらった。懇意にしている寺があるわけでもないのでお坊さんは呼ばず、来た人にはゆっくり話してもらえる場をつくった。よい形で送ることができたと思う。
さらにまた妹夫妻というのが今月中にも海外赴任で日本を離れてしまうので、納骨も4月1日に済ませた。その後、父親のケアとか山のような片付けとか。人ひとり死ぬとなかなか大変だ。
  *
死去に際しては、周辺で事件というか「えーっ」と思うことがいろいろあった。生れて初めて、来訪客が帰ったあとに「塩をまこう」と思いついた(葬式とは別の話)。うちの葬式の翌日に石和であった親類の葬式は自宅でなくホールでの開催で、すごくお金がかかっただろうに、寂しかった。デジカメで撮った葬式の写真を即刻プリントしてアルバムにまとめる必要も生じて、これはだいぶ勉強になった。百聞は一見に如ず。デジカメの「お店プリント」は簡単で早くて安くてきれい。
結果として得た感慨は、葬儀につきものの「チーン」という音は、人生の決算の音なのだなあ、というものだった。それまでに登録された人生の諸要素の結論が、チーンという音とともに呈示されてしまうのだ。棺を覆って定まるというが、そのプレゼンテーションのあまりの露骨さにびっくりした。橋本治が山田風太郎の『人間臨終図鑑』の書評で「これは後ろから見た偉人伝である。どんな人間も、背後からだと隠しようもなく丸見えである」という意味のことを書いていたのを思い出した。
教訓としては、片付けは日頃からしておくべきということがたいへん強く痛感された。反省した反省した。

墓碑銘
写真:市営墓地にあるお墓。墓碑銘は寮美千子による

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白紙撤回署名活動/「8対92」 2008年3月9日(日)晴 日陰でも暖かかった!大日如来と十一面観音の加護に違いない

きょう、近鉄奈良駅前の行基像の噴水広場で、署名活動をした。平城遷都1300年祭マスコットキャラクターの白紙撤回を求める署名。会員制サイトmixiのコミュニティ「1300年祭マスコット白紙撤回」を中心に集まった、「平城遷都1300年祭を救う会」の企画だ。
会のメンバーは全員、市民活動や政党活動の経験ゼロの人ばかりなので、署名用紙の様式も、道路使用許可とかも、まったくの初心者状態から、どうにかこうにか手探りで実現させた。今回の参加者は延べ十五人ほどか。
準備した用紙は二種類。一つは、マスコットキャラクターの白紙撤回を要望する署名。もう一つは、もっと気軽に、今回のマスコットキャラクターに賛成か反対かの二者択一でシールを貼ってもらうアンケート。まずはアンケートを持って道行く人に声をかけ、「反対」にシールを貼った人には署名もお願いする、という作戦。
活動は朝11時からだったが、朝からメディア各社が殺到したため、テレビカメラの列に恐れをなして、人が近寄らなかったりもした。しかし、始めてみるとなかなかいいペース。これこれ!とまっしぐらに向ってきて署名する人、なかにはわざわざ遠方から署名のためにやってきたという人もいた。前の日に新聞各紙で告知があったのだ。新聞は強い。もちろんネットで見て来た人もいた。

実は、いいかげん手伝ったら帰るつもりでいたのだが、なんだか結局午後5時半までずっといることになった。反対の署名をしてくれる人が「がんばってや!」とか声をかけてくれて、少しでもこういう人の意見の受け皿にならねば、という気持ちが強かった。今回のマスコット決定に対して、ほんとうに怒っている人がたくさんいた。
実質6時間半の活動で、集まった署名は680筆。1時間に100人以上が署名してくれたことになる。そしてアンケートの結果は、合計916票で、今回のマスコットに「賛成」が68票、「反対」が948票。比率でいうとマスコット賛成は回答者全体の8パーセントに過ぎず、一割を切っているのだった。これでマスコットは無理だ。
署名してくれた人もアンケートの回答者も、県内の人ばかりではない。特に夕方近くになると二月堂のお松明(9日目)を見にやってきた人も多かった。直接伺った範囲では奈良、関西、関東、そして老若男女まんべんなくといった感じの、たいへん幅広い回答者だった。
印象的だったのは、「反対」の人の意志の強さ。報道などで知って「なんぼなんでもこれはない」「こんなん全然あかん」などと考えていたところへ白紙撤回を求める署名活動があったので、ここぞとばかりに参加してくれていた感じ。賛成の人はというと、「大賛成」という人もいるにはいたが、大抵は「もうこれに決ったんでしょ」とか曖昧な感じで、その対比が鮮やかだった。

結局一日つぶれたけど、いろいろな意味でたいへん有意義なイベントだった。アンケートや署名に協力してくださった方々、そして今回の署名活動の関係者の方々に、心からの感謝を申し上げます。ありがとうございました。
活動はこれで最後ではありません。また、今回の事業協会の失態とは別に、「市民キャラクター」の公募など、奈良を元気にする活動があちこちで狼煙を上げています。マスコットの件で事業協会が適切な判断を下せなくても、奈良を勝手に盛り上げていけたらいいな。

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