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グーグル地図 奈良県内も要注意/ストリートビューの恐ろしさ 2009年2月4日(水)朝は霧 日中は日も差したが空気は冷たい

きょう、こんな報道やブログ記事が出ていた。

それで、去年奈良新聞にこんな投書をして採用されたのを思い出した。
「グーグル地図 県内も要注意」
 ネット検索のグーグル社が始めた「ストリートビュー」機能。地図検索と連動して、その場にいるかのように風景写真が見られます。
 使ってみると面白いのですが、それだけでは済みません。住所を入力するだけで、民家の表札やクルマのナンバー、人物の顔まで見えてしまうのです。プライバシーや防犯の観点から、東京の町田市議会では先月、規制の検討を求める意見書を採択しました。
 発表では奈良はサービスエリアでないのですが、実は県内にも来ています。観光スポットに限らず、住宅団地の風景が隈なく暴露されたりしています。約2・5メートルもの高さから撮影されているので、塀の中まで丸見えです。公表してほしくない写真が掲載されていないか、早急に確認することをおすすめします。グーグル社では、申し出があった写真は削除するとのこと。削除依頼と問合せはグーグルのサイト、またはグーグル社の連絡窓口(電話03-6415-5200)へ。
奈良新聞2008年11月12日 投書欄
日本でストリートビューを始めたときのグーグルの発表によると、サービスエリアは「札幌、小樽、函館、仙台、東京、埼玉、千葉、横浜、鎌倉、京都、大阪、そして神戸の12都市」。奈良は含まれていないが、実は奈良県の一部地域(奈良市中心部を含む)も撮影されており、サービス開始と同時に公開されていたのだった。奈良は大阪でも京都でもないのだが。
間もなくストリートビューの問題点が指摘されはじめて、しかし「サービスエリア外」の奈良の人が油断しているといけないので、新聞に投書してみたのだった。そのかいあってかなくてか、12月11日には生駒市議会で、17日には三郷町議会で「意見書」が採択された。
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たとえグーグルが日本中の街の写真を無断で撮影し、無断で住所連動データベースに格納し、無断で公衆送信可能化して誰でも使える状態にしたとしても、たとえば「撮影路線は国道・県道・バス通り・鉄道駅から100メートルの範囲に限る」とかいった実用的な(?)内部ルールがはっきり示されていれば、ここまでの反発を招くことはなかったのではないか。
住宅地の狭い路地とか社宅の敷地とかは、なんでストリートビューで見られないといけないのか、グーグルの意図がよくわからない。そんなところの写真がなくてもストリートビューの「便利」とされている用途にはだいたい関係ない。だのに、無闇に撮影してデータベース化して公開しているから、気持ちが悪い。何のためにそういうことをしているのか理解できない。
始める前にちょっと考えれば、住宅地は除外するとか、カメラの高さを低くするとか、それくらいのことはできたはずだ。だが、何も考えずに始めてしまった。
開始後、反発が起きても「騒ぐ奴が馬鹿」と言わんばかりの対応を続けていた。これもふつうでは考えられない。まともな会社であればそんな対応をするはずがない。だが、そうしてきた。
グーグルが何を考えてストリートビューのサービスをこんな状態で準備し、開始し、続けてきたのか。それは、何かを意図したのではなく、通常考慮されるであろう要素について「何も考えてない」からではないか。だとしたら、これほど怖いものはない。
法律で何でも規制するのが望ましいとは決して思わない。だからこそ、ストリートビューについては、どんな形でなら自分たちのサービスがこんな反発を招いたりしないで済むのか、根本的なところから真面目に考えて運営してほしいと思う。

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