まんとくん、商店街のシャッターに登場/「もう慣れた」と「インパクトがある」はどのように共存するか? 2008年6月15日(日)晴→曇→雨 これは梅雨の降り方じゃない
まんとくんが奈良の商店街に出現した。もちいどのセンター街にある、明新社という印刷会社の営業所(旧本社・工場)のシャッターに描かれたのだ。
まんとくんは、いまデザインガイドラインを詰めている最中。ライセンスもまだ準備中。それなのになぜ街に出ているのかというと、これはデザイン決定のためのテストケースという位置付け。
まんとくんの正面図は、画面上とかA4程度のサイズならだいぶ見慣れてきて、これで行けるかなという納得が得られつつあるけど、大きくしたときにどう見えるかは未知数だった。主線がスミでなく茶色なのも、看板サイズに拡大したときそれで大丈夫なのか、結果が読み切れていなかった。そこへ明新社さんから「シャッターに描きたい」という話があったので、渡りに船とばかりに実験してもらったというわけだ。
結果は見ての通りで、デザインの完成度の高さが実証された。すばらしい。
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ところで、このシャッターでまんとくんの反対側に描かれている、平城遷都1300年記念事業協会のキャラクター(「せんとくん」)については、肯定的な意見の代表的なものとして「インパクトがある」というのと「もう慣れた」という二つがある。それらを聞くたびに「慣れたらインパクトはないんじゃないか?」と不思議に思っていたのだが、実際に描かれたシャッターを見ていたら、なるほど!と解答がひらめいた。
並べて見ると、格の違いが歴然というか、まんとくんはしっかり“キャラ”してるけど、事業協会のキャラクターは“キャラ”になってない。「何かおかしなもの」だということはわかるけど、それ以上のアピールがない。これはキャラクターデザインとしての品質が低いからで、「そこに描かれる資格がない」という印象。
これまで言われてきた「インパクト」というのは、もしかすると単に「場違いによる異質さ」に過ぎないのではないか。
たとえば映画『デビルマン』は衝撃的だったが、それは、永井豪の名作マンガを原作とし、メジャー会社の意欲作として全国公開された映画が、通常では考えられない低品質の作品だったというミスマッチによる衝撃だ。
事業協会のキャラクターも、それこそビックリマンシールの一アイテムとしてデビューしていれば、誰も怒ったりしなかった。奈良県の予算百億円のイベントのマスコットキャラクターとして大々的に発表されて、新聞の一面に載ったりしなければ、べつにどうということもなかっただろう。
「慣れた」というのは、だから、実はもともとそれほどアピールのない図像なので、「県民に黙って、一千万円超の税金を投入して制作された」という“肩書き”についての驚きが薄れるとともに、図像を見てもどうも思わなくなる、ということなのではないだろうか。
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